Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
企業のみる景気は堅調、金融は緩和的──日銀9月短観
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年10月1日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
本日(10/1日)、日銀短観9月調査が公表された。
業況判断の現状は、全規模・全産業で+21と6月から3ポイント改善(表1)。非製造業がやや悪化ながらも良好な水準を維持、製造業は明確に改善。

製造業は規模によらず改善。業種別には非鉄、金属製品、電気機械や生産用機械などが大きく改善。世界的なAI関連の半導体需要や投資の増加を反映。
非製造業は大企業が高水準ながら若干悪化、中小企業は横ばい。値上げやインバウンド鈍化などを反映した小売や飲食・宿泊などの鈍さが影響した。
26年度の事業計画は(表2)、全規模・全産業ベースで6年連続の増収・増益、投資増となり、企業の前向きな姿勢が示された。6月調査との比較では、いずれも上方修正されたが、特に収益の上振れが目立つ。中東情勢に起因する調達不安が多少和らいだことが影響している可能性が考えられる。

価格判断は販売・仕入とも大幅な「上昇超」で、中長期の物価観を示す5年後のインフレ見通しは2.5%と日銀の2%目標をかなり上回る。ただし6月と比べると、価格判断の「上昇超」は横這いとなり、インフレ見通しも2.6%から若干低下し、いずれも加速にはいったん歯止めがかかった形。
企業金融の判断をみると(表3)、借入金利水準は上昇との回答が増加傾向にあるが、資金繰りや金融機関の貸出態度については概ね横ばいで良好な水準が維持されている。利上げの影響が借入金利面に現れているが、量の面では日銀も指摘する「緩和した状態」が続いているようだ。

今回の短観結果は、企業経営は総じて堅調、物価上昇が続き、企業金融は緩和的であることを示すもの。日銀の金融政策との関係では、先行きも利上げが予想される内容ではあるが、物価の加速感が高まっているわけではなく9・10月の連続利上げを示唆するほどでもないように見受けられる。
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