Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
日銀10月会合─基調的な物価上昇率は2%に到達
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年11月2日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
日銀は先週、金融政策決定会合を開催し、四半期毎に経済・物価見通しを示す展望レポートを公表(主要計数は下表)。
9月に1.25%程度へと利上げしたばかりであり、今回は政策変更なし。しかし、植田総裁の記者会見を含め、今後も利上げを継続する方向性を示唆する内容であった。

①「(一時的な要因を除いた)基調的な物価上昇率は2%の物価安定目標と概ね整合的な水準」となっていることを初めて認めた。
②経済・物価見通しは7月から概ね不変。潜在成長率並みの緩やかな経済成長が維持されるもとで、物価上昇率は振れの大きい生鮮食品・エネルギーを除けば2%を幾分超える状態が続くとの見通し。
③引き続き、見通しのリスクバランスは経済が中立、物価は基調的上昇率が2%を超えて上振れていくリスクを強調。
④金融環境はこれまでの利上げにも拘わらず緩和した状態を維持しており、基調的な物価上昇率が2%を大きく超えず安定させるよう、今後も利上げし金融緩和の度合いを調整していく方針を引き続き明示。
⑤会合後の記者会見で植田総裁は、基調的物価上昇率を2%で安定させていく観点がこれまでより重要になっており、「次回を含めて毎回の決定会合でしっかり分析した上で利上げについて議論していく」と発言。
以上を踏まえると、次の1.5%への利上げのタイミングは次回12月会合が中心、その後も経済・物価・金融情勢次第ではあるがさらに1~2回程度の利上げがあり得ると考えておいた方がよいだろう。
借入が多い企業にとって、さらなる利上げは少なからずマイナスの影響を及ぼす。ただ、仮に2%まで利上げが行われたとしても、現在の1.25%は5合目を超えた水準。また、今後数回の金利引上げは、利上げが遅れることでインフレが加速し、結果的に金利も3~4%といった高い水準まで引き上げざるを得なくなることを回避するためのものと、理解しておくことが大事だ。
●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。
