わたしの意見-
水野 創

デフレとの厳しい戦い――4~6月期のGDP速報

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月18日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 15日に公表された4~6月期の実質GDP速報は、3月の大震災・原発事故からの生産底打ちを示すものと評価される。一方、売上げ、収益、所得と関連の深い名目GDP速報は、4~6月期も1~3月期に続く大幅減少と厳しい結果となった。

 4~6月期の名目と実質の動きの差の主因は、国際商品市況の上昇による所得の海外への流出と捉えられる。GDPベースの物価(デフレータ)でみると、国内需要で見れば、個人消費関連の低下を他の部門が埋め合わせる形となっているのに対し、輸入は大幅な上昇となっている。12日に公表されたCPIの基準時改定値と共にデフレとの戦いの厳しさを改めて感じる。

 デフレ脱却を目指し、需給バランスを改善するための成長戦略が改めて求められる。

 (1)復興需要の早期本格化を梃子とした国内需要の拡大。

 (2)輸出、訪日外国人の増加による海外からの所得の増加。

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