わたしの意見-
水野 創

千葉県人口、上期は復調。地域差は一段と顕著

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月7日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 1日公表された千葉県の最新の人口調査によれば、13年度上期中の県人口は8,454人の増加となった(表1)。社会増減(転入―転出)の増加で復調が明確だ。これで上期増加率が東京都、神奈川県、埼玉県並みとなり、前年同月比でも増加に転じれば(表2、図1。10月1日現在で前年比▲2,569人、▲0.04%)、復活を確信できるだろう。

 県内各市の大震災から今年3月までの人口増減とその後半年の人口増減を比較すると地域の特徴が明確になる(図2)。

 ①震災後一貫して増加を続けていた10市の中でも、船橋市がこの半年で更に2,108人、習志野市、流山市も1,000人以上の増加となり元気さが目立つ。

 ②震災後2年間ほぼ横ばいだった千葉市、柏市がそれぞれ1,631人、1,446人と船橋市に次ぐ県内2,3位の増加になった。一方、液状化現象の影響が続く浦安市は2,321人減少の後308人の増加にとどまっている。

 ③震災後2年間で4,218人減少した市川市はこの半年で1,205人の増加となり、松戸市(各▲4,500人、309人)との差が目立つとともに、11年3月以来の通算増減(▲3,013人)で減少の続く銚子市(▲3,033人)とわずかながら入れ替わった(減少2位→3位)。

 ④外房、利根川沿いの地域は総じて減少傾向が続いている。

 上期に1,000人以上増加した上記①~③の6市(船橋、習志野、流山、千葉、柏、市川)合計は8,946人で県全体の増加を上回っている。東京オリンピックによる一極集中もあり、今後、整備の続く圏央道を境に内外で地域差は加速していくだろう。また、減少が続く地域では高齢化の影響も顕著になる。

 それぞれの地域に即した生き残り策を自ら切り開いて行くことが求められる。

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