わたしの意見-
水野 創

平成22年11月の出入国者数について

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」1月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 25日に、法務省から標記統計が発表された。

 10月の羽田再国際化後、初の計数なので注目していたが、成田にとっては厳しい結果となっている。

 今回の結果については、以下の評価ができると思う。

 (1)羽田が増便になっている一方、成田では日本航空の大幅減便から全体でも減便となっており(*国際線旅客便前年比△5%)、増減双方の影響が出ていると考えられる。

 なお、成田は通過客も減少しており(*前年比△18%)、減便が影響していると見られる。

 (2)2空港合わせた全国シェアは前月比2%ポイントの増加にとどまっており、羽田の増加による目立った変化はない。

 (3)尖閣諸島沖の事件で中国人観光客が減少したが、他の地域からの増加があったため、全体への影響は少なかった(外国人入国者・全国前年比+12%)。

 羽田空港の国際線供給力の上限は当面9万回であり、「訪日外国人3,000万人プログラム」等の実現を前提に、中長期には成田空港の30万回の供給力が威力を発揮すると思われる。

 しかし、今回の結果は、それまでの間も、利用客数を早期に引上げ、競争力を強化する努力が必要であることを示している。

 国際ハブ空港として、これまで培った成田のブランド力を維持強化するためにも、韓国、シンガポールとの競争力強化も含め対応が進むことが期待される。

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