わたしの意見-
水野 創

復興への道筋(1)――千葉県の復興を阻害する3つの要因

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月1日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県に拠点を置く我々にとって非常に厳しい現実が続いている。

 地震、津波、液状化現象、火災等一連の被害の大きさに加え、福島原発事故に解決の目途がたたず、計画停電の影響を大きく受けているという現実である。

 第一の地震被害に関連し、余震による新たな被害への注意が怠れないことが活動の制約になっている。

 第二の原発事故の影響については、千葉県は200キロ以上離れているにもかかわらず、農業、水道等への被害が現実のものとなってきた。今後、漁業への影響も懸念され、風評被害を含む観光等への影響は放射能の心配がなくなるまで長期間続くことが予想される。

 また、東京23区内と異なり、千葉県は計画停電の対象範囲が広く、対象地域の全ての産業、家庭生活に生産性低下やストレスをもたらしている。しかも夏場の電力需要ピーク時に向けた改善策は具体化していない。

 そして、原発事故はこの1週間で土壌からのプルトニウム検出にまで至り、我々が復興に専念できるようになるまでには相当の期間を要するとの覚悟が必要となった。

 阪神・淡路大震災では復興計画の終了まで10年を要した。

 我々の被害はそれを上回っている上、復興のスタート時期も明らかではなくなった。

 以上3項目を含め、今後の復興への道筋を考えるに当たってのポイントは以下の諸点だと思う。

 復興を阻害する3要因
 ・巨大地震の余震に対する備え
 ・原発事故の早期収拾
 ・計画停電方式の改善

 復興に不可欠な4項目
 ・被害の全容把握
 ・既存原発の安全確保
 ・復興計画の策定
 ・正確な知識・情報の提供

 心身両面の健康に留意して長期戦を戦おう。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。