わたしの意見-
水野 創

復興への道筋(2)――余震に対する心構え

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 東北地方太平洋沖地震の活発な余震が続いている。

 産業、日常生活には大きな制約であり、特に、帰宅難民を経験すると、余震が続く間、夜は自宅に歩いて帰れるところに居たいというプレッシャーが強くかかる(なお、この気持ちは夜の計画停電に当たると一層強くなる)。この余震はいつまで続くのか、また余震に備え何をすべきか、気象庁のホームページを参考に考えてみた。

 今後の見通し、過去の事例
 余震について、一般的には「特に注意が必要な期間は、活発な地震で1ヶ月」とされている。まもなくその1ヶ月を迎えるが、以下の通りまだ注意を怠れない(以下Mはマグニチュード)。
 1.気象庁の発表(3月31日)によれば、余震は減ってきてはいるがまだ活発な状況である。
余震発生確率:4月3日15時から3日間以内。最大震度5強以上10%
余震回数予測:3月31日から6日間。M5以上。20回から30回(多いと70回)程度
 2.余震は大局的に見れば、限られた地域で発生し、数が単調に減り規模も小さくなっていく。
しかし、まれには(1)大きい余震が起きやすい地域があり(「三陸沖等地震続発地域」や「余震域とその周辺」)、また(2)余震域から離れたところでおきる地震もある。
 (注)余震の起きる場所を余震域という。本震で破壊された領域(震源域)と一日目はおおむね一致するがその後だんだん広がる。
 3.最大余震のMは、平均してみると本震のMより1程度小さくなる。しかし、本震のMとあまり変わらない大きなMの余震が起きることもある。
 (注)余震の中で一番大きなものを最大余震という。
 4.大局的な動きの予測は上記の通り公表されている。しかし、(1)大きい余震や(2)余震域から離れたところで起きる余震は予測できないとされている。

 余震に対する心構え
 余震は我々がコントロールできるものではない。
 社会的に重要なインフラについては、最も厳しいケースである、千葉県から東海地方を震源とするM8クラスの地震が発生する可能性も想定して対策を講じておく必要があろう。今回の原発のように「想定外」との言い訳を繰り返さないで済むようにしなくてはならない。

 一日も早く通常の活動を行える日が来るよう願っている。

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