わたしの意見-
水野 創

千葉からの視線、千葉への視線

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 震災・原発事故からの千葉県内の復興を目指し「ブランド力の再生・強化」を主張してきた。しかし、経営者の皆様と意見交換していると、首都圏全体の中で千葉県を相対的に捉え、「これからマンションを買うなら液状化の千葉県ではなく埼玉県だ」とか「空港の効率的な運用・競争力強化を考えれば旅客は羽田、貨物は成田に集約すべきだ」といった意見を聞く。

 浦安市の人口を見ると、液状化現象の被害の大きさに比べ、これまでのところ人口・世帯数の減少幅は小幅にとどまっている。自治体関係者や居住者の多くは復興に向け希望を持って懸命な努力を続けている。復旧・復興状況を見極めている人も多いだろう。

 視点の置き方で政策も異なってくる。復興に当たっては、立場の如何にかかわらず「やはり千葉県がよい」といってもらえるよう魅力ある地域づくりを迅速に進める必要があると改めて感じた。

 なお、人口の動きを見ると、国勢調査で勢いを示した後、年末以降はここ数年と異なった動きとなっている。基調的な変化かどうか、3月以降の震災・原発事故の影響も確認しながら分析を進める必要がある。

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