わたしの意見-
水野 創

日本を脱出した外国人のその後は?

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月30日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 3月の地震・原発事故直後、多くの外国人が日本を脱出し、企業経営者は職場の担い手が突然いなくなるというリスクを経験した。こうした外国人がどの時点で日本に戻ってくるのか、あるいはもう戻ってこないのか気になっていた。

 会員の皆様からは「もう戻ってこないだろう」、「帰国した人は戻ってきても使わない」、「既に戻り始めている」等いろいろなご意見や情報をお聞かせいただいた。

 こうした中で、6月24日に発表された4月の出入国管理統計をみると、外国人の入国者は39万人と出国者(30万人)を約9万人上回った。3月は出国者(69万人)が入国者(42万人)を27万人上回っていたので、その3分の1を取り戻した形である。
――うち成田、羽田の2空港では、3月が18万人の出国超、4月が7万人の入国超となる。

 (1)入国者、出国者とも前年を大幅に下回る低水準の中での単月の入国超過であること、(2)余震、原発事故を考えれば、海外から見た日本の安全に対する評価が4月に回復しているとは考えにくいことを考慮すると、これだけで基調判断をすることはできないが、3月に飛び出した外国人の一部は日本に戻り始めているのだろう。

 海外の日本を見る目やサプライチェーンが回復していく中での働き手にかかわる問題であり、今後の推移に注目したい。

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