わたしの意見-
水野 創

内外からのお客様を引き付けるものは―千葉県復興のポイント(3)―  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 

 

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」1月5日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 大震災・原発事故から10ヶ月を経過し、内外から県内各地へのお客様には明確な特徴が見られる。①目的別では、ビジネス客、個人観光客の復調、団体観光客の苦戦、②出発地別では国内、アジアの復調、欧米の回復の鈍さ、③地域別には、浦安、千葉市の復調、房総半島や佐原・銚子、成田空港周辺の厳しさ、である。

 回復のために、①津波に対する安全・安心対策の確立、②放射能に対する除染と情報提供等が急がれるが、回復から拡大へと勢いをつけるためには、ファン、リピーターを増やし、また、これまで来ていただけなかったお客様に来ていただく努力が必要である。

 さらに、県内を最終目的地としないお客様に、待機時間を如何に楽しんでいただくかという視点も重要になる。

 これまでお客様が訪問先に千葉を選ぶ理由は、TDR、成田山新勝寺、海、首都圏からの近さ、幕張メッセ、成田空港等であろう。一方魅力を殺(そ)いでいるのは、大型観光・会議用施設・資源の少なさ、情報不足、遠さ(交通の便<特にJR>の悪さ)等である。

 今後、最終目的地、経由地としての魅力も増すために、「ちばアクアラインマラソン」等新しいイベントや東京スカイツリー、アウトレット等商業・会議施設、新インターチェンジ、より美味しい新品種等を、生み出し活用していく努力が求められる。

 羽田・アクアラインルートや成田国内便客の活用、自治体・旅行関係者の連携と情報発信の工夫も重要だろう。

 個人的には「富士山」の東京湾越しの美しい姿をもっと活用できないかと、ずっと感じている。

 

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