わたしの意見-
水野 創
次に来る世界経済のリスクは
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」1月26日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
世界経済を巡る動揺は、ここに来て、やや落着いている。米国経済が強気に振れ、金融資本市場も大量の資金供給で一息ついていることが背景だろう。
この間発表された各国際機関の改定経済見通しも、2012年に需要の急減は想定していない。ポイントは以下の3点に集約できる。
①既に終了している2011年の下振れが大きかったこと。
②2011年から2012年への減速幅が相対的に小さいこと。
③2013年は回復を期待していること。
即ち、2011年は、終わってみると、米国の減速、新興国・資源国の引き締め、わが国やタイの天災の影響が大きかった。2012年は欧州の混乱は続くものの、新興国・資源国は高めの成長を維持し、わが国は横ばいないし回復する見通しになっている。そして欧州も2013年にはプラス成長に復する。
この見通しには大きな下振れリスクがあるが、日本銀行が、24日に発表したリスク・バランス・チャートをみても、①前回の分布に比べ多少下方に振れているが、その程度は7月から10月への変化に比べれば小さくなっている。また、②リスクの下限が切り下がっているわけではない。
ギリシャ国債を巡り、自主的債権カットを求められる民間と政治の対決が、債権カットには至っていないギリシャ以外にも波及して新たなリスク要因にならないか注視したい。
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