わたしの意見-
水野 創

出生を上回る死亡 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」3月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2011年の千葉県は死亡が出生を上回った。

 出生が51,294人、死亡が51,817人。10年前は3万人台だった死亡が年々増加して51千人になり、ここ数年52千人台でほとんど横ばいだった出生が2011年はやや減少して51千人台になったことによる、初めての自然動態の減少である。

 やや減少した昨年の出生を月別にみると、大震災直後の4月と40週間後前後に11,12月に例年と異なる動きとなっており、表を見ると合わせて1,000人以上の出生減少要因になっていると思われる。大震災がなければ出生が死亡を上回った可能性はある。また、大震災後の人生観の変化で出生が増えれば2012年は再逆転の可能性も否定できない。しかし、死亡の動きを見ると、気候要因等で多少変化することもあろうが高齢化が進む下で増加が続くと見られ、いずれにしても数年以内には自然動態が減少する局面になっていたと考えられる。

 このように、これまで出生超過、転入超過の2本柱で千葉県に勢いをつけていた人口増加は、今後は転入超過により支えられていくことになる。前号でも述べたとおり、大震災以前、千葉県は年間20~30千人転入超過であった。こうした状態に復せば、自然動態で減少しても今後相当期間、県の人口は増加が継続する。改めて①液状化、除染対策、②インフラ整備、③風評の撲滅の早期実現が求められる。

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