わたしの意見-
水野 創

国際線の3分の1は首都圏以外の利用者~WEBアンケート調査結果から~ 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」3月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 弊社では昨年、全国11千人を対象に成田空港、羽田空港の利用状況に関するWEBアンケート調査を実施し、13日、結果を公表した。(成田国際空港と羽田空港の利用状況に関するアンケート調査結果及び提言)

 興味深い点を幾つか紹介したい。

 1.両空港とも国際線利用者の3分の2は関東の、3分の1は関東以外の利用者。利用者の居住地域分布はほとんど変らない。

 2.関東以外からの利用者のうち、中部、東北までは新幹線を、それより遠くは国内線を主なアクセス手段に利用している。

 3.全国の成田空港、羽田空港利用者のうち、現状、6割が成田空港を、1割強が羽田空港を利用。3割弱が両空港を併用。

 4.現在成田空港のみ就航している路線に羽田空港からの路線も新設された場合、5 割強が羽田空港にシフトすると回答(東京と神奈川県の利用者とアクセスに国内線を利用している利用者が中心)。引き続き成田を利用するのは1割強にとどまる。

 今回の結果から「全ての路線が成田・羽田で競合するようになる」ケースを試算すると、両空港の利用者割合はほぼ逆転してしまう。もちろん、既に国内線充実、LCC就航等が行われているし、羽田空港は仮に5本目の滑走路ができても収容能力に限界があるので試算通り実現することはないが、全国の利用者の選択眼の厳しさをしっかりと受け止めたい。

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