わたしの意見-
水野 創

やはり大きい開発案件効果~木更津、君津の公示地価上昇~ 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」3月29日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今年1月1日現在の公示地価が国土交通省から公表された(22日)。

 首都圏全体としては、リーマンショック後大きく落ち込んだあと、この一年は比較的小幅な動きとなっている。

 千葉県内は、千葉市、成田市などがほぼ前年並みの1%台の小幅下落なのに対し、これまで人気の浦安市が前年の上昇から下落に転じたほか柏市も下落幅がやや拡大しており、液状化現象・原発事故の影響がこの分野にも及んでいるのが見て取れる。

 そうした中にあって、4月13日に三井アウトレットパークの開業を控えた木更津市だけでなく隣接の君津市の地価も小幅ながら上昇に転じているのが目立つ。いずれも4年ぶりの上昇で、インフラ整備と共にそれを活用したプロジェクトの進捗が地域の元気の素になるのだと改めて痛感した。弊社の調査担当の報告を聞いていても、アウトレットの開業を控えた木更津では賃貸物件が活況を呈しており、物件の窓口では「昼食をとる暇もない」との声も聞かれるようである。

 来年にかけては、このほか圏央道の延長と酒々井町のチェルシー・プレミアム・アウトレット開業も予定されている。大震災からの復興と放射能の除染の進捗と合わせ、地域の一層の活力上昇が期待される。

 千葉県はもともと気候が温暖で、首都圏の中では地価も安く、定住人口を受け入れる土地は十分にある。東北の被災地からも大いに移り住んでもらえるよう魅力を高めて行きたい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。