わたしの意見-
水野 創

+1%を目指す消費者物価上昇率  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」5月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 4月27日の日銀金融政策決定会合では金融緩和の強化が決定され、同時に発表された展望レポートは消費者物価(除く生鮮。前年度比)が2012年度+0.3%、2013年度+0.7%と着実に1%に近づく姿を想定している。さらに、当日の総裁記者会見では+1%達成が早ければ2014年度と明言された。

 こうした物価見通しは、①消費者物価が昨年夏から既に前年比横ばい圏内で、最新の3月は+0.2%となっていること、②今後、日本が+1.5~2.0%程度と潜在成長率(+0.5%程度)を上回る成長を遂げ、現状2%程度の需要不足も確実に解消に向かうと見られること、③原油等も高値が続くと見られること等を根拠としている。リスク・バランス・チャートをみても全体に上方にシフトし山も高くなっており、委員が達成に向け自信を深めているように見える。

 本見通しの方向に間違いはないとしても、現時点の他の調査機関の見通しが2013年度にようやく+0.1%なのと比べ強気に見えることは確かである。見通し実現のためには、今後、民間活力、政府の成長戦略の成果が発揮されることが大前提となろう。

 仮に、見通しの水準まで上昇してこない場合には、金融緩和強化へのプレッシャーは一段と増すことが必死となった。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。