わたしの意見-
水野 創

千葉県の人口増加復帰への第一歩  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県人口は4月中に4千人増加した(6月1日千葉県発表)。安心できる増加幅ではないが、ほぼ1年ぶりの増加を、「人口が増加する元気な千葉」の復活に向けた第一歩と評価したい。 

  

 まず安心できない点だが、①4月の増加幅は、前年を上回ってはいるものの、前々年以前との対比ではまだ半分程度の水準であること、②3月が5千人の減少だったので、3,4月の合計ではまだ減少していること、③被災種類別に分類すると、回復状況にばらつきがあり、影響の出始めるのが遅かった放射能被害地域や人口増加地域は前年を下回る増加にとどまっていることである。

 これに対し、「第一歩」と評価したいのは、被災種類別に見た液状化被害地域と津波被害地域である。これら地域では、被災直後から影響を受けたが、いずれも転出が一巡し、転入が増加する形で、液状化被害地域は前年を上回り、津波被害地域も前年より小幅な減少にとどまっている。これら地域では未だ対策が完全ではないが、時間の経過と共に転出は一巡し利便性に着目した転入も増加し始めていると考えられる。こうした先行事例を見ると、転出増加や転入減少と言う厳しい状況が続いている上記の人口増加地域や放射能被害地域でも、夏から秋にかけては、液状化、津波被害地域同様順次影響が一巡してくると期待される。

 過度に悲観するのではなく、一日も早く完全復活宣言ができるよう、それぞれの地域に応じた対応を急ぐことが適当だと思う。特に放射能に関する正確な情報提供は不可欠である。

 ピークの2010年12月1日の水準まであと18,440人である。

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