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水野 創

観光の飛躍に好機~宿泊旅行統計11年確報~  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」7月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県は年間延べ宿泊者数1,460万人、全国5位の観光大国である(6月29日発表、宿泊旅行統計・11年確報)。

 しかし、11年の前年比は▲20.5%と全国で最も落ち込みが大きかった。四半期別前年比の回復度合いも全国に比べ遅い。10年の水準が国体開催で高かったこともあるが、東日本大震災・原発事故のマイナスの影響が全国の中でも大きかったことが改めて確認できる。

 内訳を見ると、観光目的が同▲27.4%(全国▲7.4%)、外国人同▲36.7%(全国▲34.6%)の落ち込みが大きく、一方、業務目的は同+0.2%(全国+2.4%)とほぼ前年並みを確保した。

 地域別に内訳を見ると、①浦安のずば抜けた集客力、②房総半島の厳しさ、③外国人は成田に集中といった千葉県の得意分野と課題が明確である。


 これから千葉県は、LCC国内線・国際線の就航、アウトレットや東京スカイツリーの開業、ちばアクアラインマラソンの開催等により多くの新しいお客様をお迎えする好機である。また、10年度の計数までしか公表されていないが、観光入込客統計では宿泊のお客様(9,564千人回)の約10倍の日帰りのお客様(84,764千人回)を県内外からお迎えしている。

 こうしたお客様を県内の宿泊に結びつけていくことが当面の飛躍の鍵になる。

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