わたしの意見-
水野 創

回復・増加が顕著な国際線利用者  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日本政府観光局が7月20日に発表した6月の訪日外客数は686千人、前々年比+1.4%と大震災後初めて前々年比でプラスとなっただけでなく、6月としては2008年を上回る過去最高を記録した。また、6月の出国日本人数も1475千人、前々年比+12.4%と6月としては過去最高となり、2012年上期としても2001年を上回る過去最高を達成した。

 一方、成田国際空港株式会社の発表した6月の国際線旅客数は、日本人、外国人の前年比が各+17.8%、+51.4%とプラスになってはいるが、前々年比では各▲8.1%、▲16.1%と減少となっている(7月26日)。

 この間、法務省の出入国管理統計は7月25日に5月分が発表されたが、成田空港の出入国者の全国シェアは42%(前年43%)と日本人(43%、前年44%)、外国人(38%、前年39%)ともに漸減している。この傾向は成田・羽田空港合計で見ても変らず、特に外国人のシェアが50%(前年53%)にまで低下したのが気になる。

 首都圏全体として全国の回復、ピーク更新の動きを取り込めていない現状は、成田空港の発着枠拡大を契機に地域経済の飛躍的発展を目指す千葉県にとってなんとも歯がゆいところである。

 地震、放射能対策と風評を払拭するための情報提供を急ぐとともに、それらの影響の比較的少ないビジネス客の利用拡大、世界中からお客様に選んでいただける地域と空港の魅力作り、さらには最近増加が目立つ大型クルーズ船を利用したお客様への対応など幅広い観点からの努力を続ける必要がある。

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