わたしの意見-
水野 創

復活・復興と伸び悩みの同居が続く県内夏休み  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 夏場の交通機関の利用実績が発表されている。

 全体として①成田空港国際線の高い伸び、②新設のLCC国内線の好調、③JR東日本の高めの伸びが目立っている。

 もっとも、JR東日本千葉支社の発表した7月20日から8月19日までの県内の計数を見ると、復活・復興と伸び悩みの同居した姿が明確になる。

 (1)近距離利用客は前年比+4%、前々年比+2%と前々年比でも増加。東京ディズニーリゾートの最寄り駅である舞浜駅が前々年比+5%となったほか、幕張メッセがあり千葉市民花火大会が移転した海浜幕張駅は同+28%の大幅増加となっている。なお、アウトレットパークの開業した木更津駅、袖ヶ浦駅の期間中の伸び率は千葉支社の集計対象となっていないので分からないが、6月分まで発表されている東京湾アクアラインの利用台数は4月以降伸び率上昇が目立っている。

 (2)一方、房総方面の特急列車は前年は上回った(+3%)ものの、前々年比では▲16%に止まっている。また、成田エクスプレスも成田スカイアクセス線開業の影響も考慮する必要があるが前々年に及んでいない(▲12%)。

 県の定住人口は横ばい圏内となってきたと考えられるが(ビジネスレター8月9日号)、交流人口は夏場を経て「同居」が長引く可能性が強まっている。伸び悩みの続く房総の海岸地域について、負のブランドイメージの定着を回避するための「海」以外の特色も活かした復興策を急ぎたい。

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