わたしの意見-
水野 創

千葉県の地価も一部で上昇(国土交通省地価LOOKレポートの全国150地区調査)  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月30日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 国土交通省が四半期ごとに発表している全国150地区の地価動向調査の最新分が先週末発表され(第2四半期、8月24日)、千葉県でも久しぶりに上昇の地区が出た。

 150地区のうち県内は7地区だが、このうち今回上昇に転じたのは市川市本八幡駅周辺の商業地で、商業地ではこのほか千葉駅前も下落から横ばいに転じている。

 一方、住宅地は3地区とも下落が続いているが、柏市柏の葉地区で「ホットスポットの影響が収束に向かいつつある傾向がみられる」、「需要、取引量に回復の兆しが見られる」といった地元不動産関係者の声が紹介されているほか、浦安市新浦安地区でも「中古マンション、中古戸建住宅の取引が比較的安定しているほか、戸建住宅のミニ分譲などの動きも見られ始めている」と鑑定評価員がこれまでに比べれば前向きのコメントをしている。

 本調査では、全国、東京圏の他地域が先行して上昇に転じており、千葉県の厳しさが目立っていたが、ここにきての変化は、①商用地は県外業者の需要回復、店舗・オフィス賃貸の需給ギャップや賃料水準改善、②住宅地は大震災・原発事故後の県人口の横ばい圏内への落ち着きが背景としたものだろう。

 9月には7月1日現在の都道府県地価調査の結果も公表される。千葉県の復興のひとつの表れとして今後に期待したいが、新浦安については、「需要者は浦安市地縁者に概ね限られる」とも指摘されており、「液状化のイメージ」を払拭し、ブランド力を復活させることが引き続き課題である。

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