わたしの意見-
水野 創

横ばい圏内の動きが続く千葉県人口(7月中) 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 8月31日に公表された8月1日現在の千葉県人口は6,197,079人となった。前月比では2ヶ月連続の小幅減少である。

 県のホームページに掲載されている人口推移のグラフで見ると、4月1日まで減少した後、おおむね横ばい圏内の動きを続けているのが見て取れる。

 こうした動きの内訳を大震災1年目の2011年度中と、12年4月から7月中の他県との移動状況で見ると、次のような現状が分かる。

 (1)11年度中の人口減少は転入減(▲12千人)、転出増(+13千人)双方の結果である。

 (2)12年度入り後(4~7月)は転入、転出がほぼ見合うかたちで横ばい圏内に転じている。ただ、転出は11年度に増加した後10年度に近い水準まで低下しているのに対し、転入は10年度の水準はもとより11年度の水準も下回ったままである。

 (3)12年度入り後の状況を地域別に見ると人口増地域では転入が転出を明確に上回っているが、その他の被害地域は転出が転入を上回っている。また、人口増地域でも転入は11年度同期を下回っている。

 以上のとおり転入の弱さが目立つが、千葉県の人口増減はこれまでから転入の変動により変化を繰り返している。既に計画されている成田空港の年間発着枠30万回への増加、圏央道の開通、工業団地の新設、商業施設の増加や各駅前での再開発の進行など目白押しのプロジェクトを活かすことに加え、成田空港の深夜早朝発着制限の緩和、アクアラインの恒久値下げ等の追加施策も実現することにより、千葉県の魅力を回復し、転入の中長期的な増加を目指したい。

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