わたしの意見-
水野 創

地域の元気さを示す地価動向 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 9月19日に国土交通省から7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査)が公表された。

 今回の結果も各地の復興状況や元気の良さを端的に示していると思う。

 (1)全国で前年比下落幅が縮小している。

 (2)一都三県では、東京都、神奈川県が住宅地、商業地とも1%以下の下落にとどまっている。千葉県は東京都、神奈川県に比べれば下落幅は大きいが、全国に比べれば小幅な下落となっている。また、下落幅は埼玉県より小幅である。
千葉県内では、木更津、船橋の元気の良さと浦安の復興の兆しを感じる一方、常磐線沿線の松戸、柏、我孫子は厳しい。

 (3)被災地では、宮城県が一都三県並の全国を下回る下落にとどまっているが、岩手県、福島県は全国を上回る4%から7%程度の下落となっている。

 ――リーマンショック後の4年間の動きと合わせてを見ると各地の特徴はより明確になろう(表)。

 千葉県内は全体に復興が進み、人口も横ばい圏内になっている。TDRや木更津のアウトレットパークは賑わい、圏央道建設、船橋周辺の大規模開発、千葉駅周辺の再開発等のプロジェクトも進んでいる。全国の中での立ち位置、復興のスピードも悪くない。

 ただ、東京では中央区・江東区に高層マンションが林立し、オープンしたスカイツリーや渋谷周辺は活況を呈している。京橋や日比谷の大規模再開発にも勢いがある。県内で個別地点毎の動きを見ると、千葉駅周辺に下落幅の大きい地点が見られる。新しさ、便利さを競う地域間競争に後れを取らないために、県内の対応にも一層のスピードアップが求められる。

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