わたしの意見-
水野 創

被災後の最少人口 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」10月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週公表された9月1日現在の千葉県人口は6,196,164人(前月比▲915人)となった。

 引き続き横ばい圏内の動きであり、県内各地域で県外からの転入が減少した状況が続いているのが目立つ。

 ところで、大震災・原発事故後、現時点までの千葉県の最少人口は、被災後1年目の本年4月1日の6,195,643人(大震災・原発事故直前の昨年3月1日の99.7%)である。

 先行きを考える参考に、被災内容・程度は異なるが、平成7年の阪神淡路大震災後の、兵庫県、神戸市、神戸市長田区の人口が最少となった時期を確認してみた。
兵庫県 平成7年10月(9ヶ月目)直前人口の97.7%
神戸市 平成8年4月(1年3ヶ月目)直前人口の93.1%
長田区 平成10年11月(3年10ヶ月目)直前人口の66.3%

 兵庫県、神戸市は被災後1年前後、被害の大きかった長田区は被災後4年近くが最少である。比較的大きな単位では「1年」というのがひとつの節目となっているようである。

 千葉県が、今後、最少人口を更新する可能性はあるが、こうした過去の経験を念頭に、復興・除染計画の着実な実行と、万一の場合の対応策を含む実行状況の積極的な周知に努めることが求められる。

 なお、兵庫県人口の全国シェアは阪神淡路大震災の前後でも大きな変化はないことも、過度に悲観する必要がない材料として押さえておきたい。

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