わたしの意見-
水野 創

2013年、千葉県人口は増勢回復へ

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」1月17日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 新春第2回では2013年の千葉県の人口を展望したい。

 昨年末(12月28日)公表された11月中の千葉県人口は前月比▲741人と、10月中に半年振りに増加した後、再び小幅なマイナスとなった(前年同月▲1,404人)が、9~11月中の3ヶ月で括ると10月中の増加が効いて+598人と増加した。

 被災種類別の増減をみても、放射能被害地域が増加に転じ、液状化被害地域の増勢が強まっている。また、転入者は前々年には及ばないものの前年は上回り、転出者は前年、前々年を下回る落ち着きを示している。被災後2年経ち、年度末には放射能除染対策や地盤の液状化対策も一層進む。引越し集中期となる3、4月には、千葉県に住む利便性や経済性が再評価され、横ばい圏内から水準を切り上げてくるのではないだろうか。

 この先数ヶ月は1年前に人口が最も減少した時期に当たる。年度内、横ばい圏内を維持できれば、4月には前年対比では増加に転じることが期待できよう。

 今後、県内では高齢化に対するこれまで以上に真剣な対応が必要になることを考えれば、人口が増加すればよいというものでもないとの主張もあろう。しかし、人口増加は、東日本震災・原発事故以前、元気で自信溢れる千葉の源泉だった。まずは、復興を象徴するものとして当面の推移を見守りたい。

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