わたしの意見-
水野 創

復興、アベノミクスは徐々に千葉県の地価にも

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」5月30日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 国土交通省の2013年第1四半期地価動向調査(主要都市の高度利用地地価動向報告―地価LOOKレポート)が発表された(5月29日)。調査期間は今年の1月1日から4月1日で、都内中心部の再開発が継続する中、アベノミクスが始動し、株高、円高修正が急速に進んだ時期の調査結果となる。

 全国の状況を見ると、価格が上昇した地区は大幅に拡大したが、上昇率は「0%超3%未満」が最多の78地区(52%)と落ち着いており、同じ期間の株価(TOPIXの上昇率は20.3%)とは差があった。ちなみにリーマンショック前の2007年第4四半期上昇率は「3%以上6%未満」の地区が47%(今回1%)で最多であった。

 千葉県については、上昇に転じたのは船橋駅周辺にとどまり、千葉駅前は下落に転じている。全国、東京圏と比べ変化地点数は少ない。

 ただ、今回の調査では、東日本大震災の液状化現象、ホットスポットの影響が残っていた柏の葉、新浦安でも「需要の回復が見られ、下落幅か縮小し、下げ止まりに向かっている」等とコメントされている。

 大震災後2年を経て、千葉県の復興は着実に進んでいる。ゴールデンウィークの観光地はこれまで回復が遅れていた地域にも人出が戻り(ちば経済トレンド6月号参照)、明日発表される予定の4月中の千葉県の人口も、これまで発表されている市町村の状況を見ると復興を裏付ける数字になると期待される。

 これまでに東京圏での千葉の割安感は強まっており、今後の復興の過程で取り戻していくことが期待される。

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