わたしの意見-
水野 創

千葉県人口、4月は7千人増―少しホッと

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週公表された4月中の千葉県の人口は、7,377人の増加と東日本大震災後最大の増加となった(5月31日)。震災前の2010年4月中の増加(7,643人)に近い水準まで来ている。震災後3年目に入り風評被害を含め、その影響からの脱却を宣言できるのではないかと期待される。

 年度替りの最大の異動期となる3,4月中の合計でも2,999人の増加と2年振りの増加となった。ただし、2010年3,4月中との比較では3月の差が大きく、2か月合計での復活が来年の目標であろう(2010年3,4月計+12,219人)。

 地域別に見ると、被災地のうち液状化被害、放射能被害は県全体の動きとほぼ同様なのに対し、津波被害地域と郡計は減少が続いており、被災以前の人口動態の特徴が改めて表に出てきた印象である。

 

 他県との転入・転出の状況を見ても全体の動きとほぼ同様の動きとなっている。また、地域間競争の観点から3,4月中の動向を東京都、神奈川県、埼玉県と比較すると、埼玉県にだいぶ追いついてきたが、東京都、神奈川県とはまだ差がある状況にあることがわかる。

 なお、2011年から年間では死亡が出生を上回っているがその差はまだ小さく(2011年中-523人、2012年中-3,664人)、月によっては出生が上回っている地域もある。

 今後どこまで回復するかは、転入転出の差と出生死亡の差の関係によるが、後者の差がまだ小さい間に大震災前の転入増加傾向(2001-2010年平均+18千人)を回復すれば相当の回復が期待できる。

 便利なところには人は必ず戻ってきてくれると信じている。

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