わたしの意見-
水野 創

6月中の千葉県人口は横ばい圏内―地域による特徴も顕著

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 8月1日に公表された6月中の千葉県人口は847人の減少と3か月ぶりに減少した。減少幅は5月中の増加幅とほぼ同じで、4月大幅増加の後横ばい圏内の推移となっている。(図1)

 6月中の減少幅は昨年の減少幅に比べれば縮小しており回復基調に変化はない。当面年内は大きな変動要因はなく横ばい圏内で前年比プラスとなるチャンスを狙う動きとなろう。

 今回は東日本大震災後の地域ごとの特徴をみるために、県内各市の東日本大震災から本年3月までの減少幅(横軸)と、その後の回復状況(縦軸)をグラフにまとめてみた。(図2)

 右上の領域にある船橋市を筆頭とする10市は大震災後2年目も累計で増加し、その後の3か月でさらに増加している県内で最も元気な地域となる。これに対し、左下は外房、利根川沿い、安房中心の14市で両期間とも減少している。

 多くの市は船橋市から銚子市までほぼ一列に並んでおり、大震災の影響より交通インフラ整備や新しい街づくり等基調的な動きの影響を感じさせる。この間、この列から大きく外れている、千葉市、柏市、浦安市は大震災の影響を受けた後これを克服しつつあることが分かる。一方、松戸市、市川市は最近の増加を織り込んでも通期の減少数は県内1,2位であり、その背景と今後の対応策の整理が必要なことを訴えているようだ。

 いずれにしても、大震災の影響克服後の中長期的な展望の下で、インフラ整備と地域の状況に応じた魅力ある街づくりを急ぎたい。

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