わたしの意見-
水野 創

期待通りの人口、勢いに乗りきれない地価

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月5日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 8月1日の千葉県人口と、第2四半期地価動向調査(主要都市の高度利用地地価動向報告―地価LOOKレポート)が発表された(それぞれ8月30日、27日)。

 8月1日の千葉県人口は7月中1,423人増加し6,193,361人と回復基調を続けている。今回は1~3月中の減少を取り戻し年初来でもわずかながら増加に転じた(1月1日6,193,352人)。次はいつ前年比でプラスとなるか楽しみな状況だ。

 次に地価LOOKレポート(国土交通省)では、全国、東京圏がいずれも、前回に続き「上昇」地区が拡大し、「横ばい」、「下落」地区は減少している。これに対し、千葉県内7か所では、2地区(柏の葉、海浜幕張)で下落から横ばいになったものの、上昇は前期並みで勢いに乗れない。特に、下落の3地区は、東京圏4地区、全国全体でも10地区の中で際立っている。

 ――ちなみに、東京圏の残り1か所は八王子、全国の残る6か所は、いずれも3大都市圏以外の地方で、函館、盛岡、長野、香川、愛媛、熊本である。

 県内の下落3か所のうち、新浦安は大震災からの復興が進んでおり、今後は「下落幅は徐々に縮小」に向かうとみられているが、残る2か所、千葉駅前、千葉港は「都心に近い船橋市や海浜幕張等へのテナント流出」(千葉駅前)や「エンドユーザー需要が回復していない」(千葉港)ことなどから引き続き下落傾向が続くと予想されている。各地でアベノミクスの効果が及んでいるのに残念な結果だ。

 千葉駅前を中心とする地域では、現在、地域全体として新しい時代に対応した街づくりに取り組む商工会議所の勉強会なども進んでいる。今後できるだけ早い成果を期待したい。

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