わたしの意見-
水野 創

2020年、お客様に備える

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2020年東京オリンピックで、千葉県は内外から多くのお客様をお迎えすることとなる。

今回は、「宿泊旅行統計」で千葉県の受け入れの現状と課題を確認しておきたい。

 千葉県の2012年の延べ宿泊者数は1,771万人で、全国第4位の交流拠点である。

 ――国体のあった2010年に過去最高の1,836万人(前年1,552万人)となったが、2011年は東日本大震災の影響を受けてリーマンショック後並の1,460万人に急減した。その後、2012年の前年比は+21.3%で全国2番目の急回復である。

 内訳を見ると、東京ディズニーリゾート効果から観光目的が全国2位、これに対し業務目的は全国8位である。また、外国人は全国4位であるが、県内主要都市別に見ると、成田市のシェアが60%と圧倒的に高い。成田空港周辺での航空会社関係や空港利用前後の宿泊が中心なのだろう。この比率は震災前の2010年よりむしろ高まっている。

 来日される海外からのお客様をお迎えするには、外国語でのおもてなし、設備対応、インフラ表示変更などの体制作りが必要である。2020年までに県内全体で対応するのは率直に言って厳しいかもしれない。

 2020年を展望した海外からのお客様に対応する体制整備は、現在の成田空港周辺のほか、シェアの比較的高い千葉市、浦安市、さらには選手村から半径40キロ圏内の東京湾沿岸各市、柏の葉国際キャンパス構想を持つ柏市などで重点的に行い、その他の地域は国内からのお客様にリピータになっていただくよう観光、スポーツ、イベント等のブランド力強化に当たるのが現実的でないか。

 7年は長いようで短い。地域の特性に応じた地域戦略を立てて望みたい。

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