わたしの意見-
水野 創

2020年に向け加速する首都圏集中

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月26日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2020年東京オリンピックにより首都圏への一極集中は加速するだろう。

 オリンピック開催決定前の人口予測でも、2010年から10年間、全国の人口が減少する中で首都圏の人口は増加を続け、そのシェアは拡大を続ける見通しであった。(下表参照)

 千葉県についても、2013年度に入り社会増減の増加(転入>転出)が明確となり、昨年10月に公表した3つの人口推計のうち、もっとも弱気な推計③の前提、すなわち東日本大震災後社会増減を望めない状況は克服するに至っている。

 今後、2000~2010年並みの社会増の推計②、インフラ整備が進み大きく増加した2005~2010年並みの社会増の推計①にどこまで近づいていくかが焦点だったが、オリンピック開催に向けたインフラ整備や関連産業の展開により、高めの伸びが想定される状況になっていると思う。

 同じことは東京都や神奈川県についても考えられ、人口、インフラの首都圏集中は加速されることが考えられる。首都圏全体が千葉県の推計①並みの増加まで盛り上がれば、2030年でも人口は2010年比増加を維持し、シェア上昇の勢いは一層早まるかもしれない。

 先日発表された2013年都道府県地価調査(7月1日現在)でも、東京圏は前年比上昇に転じた。千葉県でも県全体で下落幅が低下したが、東京湾沿岸地帯では広く上昇に転じている。その後の東京オリンピック決定でこうした動きも加速している。

 もとより首都圏でも人口増加地域と減少地域がある。それぞれの地域の特性に応じオリンピック成功に貢献するとともに、この機会にブランド力を強化し、オリンピック後に備えたい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。