わたしの意見-
水野 創

消滅可能性市町村と無居住化地域

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日本創成会議の「消滅可能性896市町村リスト」(5月8日)が大きな反響を呼び、国土交通省からは「2050年の無居住化地域」も公表されている(3月28日)。

 将来人口推計は我々も公表し、いずれの予測でも圏央道の外側が特に厳しい状況であることには変わりがない。しかし、今回公表された2推計は、前者が20~30代の女性人口の減少率に焦点を当て、「消滅」という強い表現を使っていること、後者は市町村単位ではなく、1キロ単位で居住者がいなくなる地域を具体的に示したことが特徴であり、ショック療法として効果があった。

 因みに、千葉県で前者の対象となる市町村は27(図1)、東京都(11)、神奈川県(9)はもとより埼玉県(21)、茨城県(18)と比べても多い。後者では房総半島南部と利根川沿いが目立ち市町村単位の結果とは違った将来像を把握できる(図2)。

 もっとも、実際の人口がどう推移するかは取り組み次第である。我々は3つの推計を示しているが(図3)、現在「推計3」から「推計2」に移りつつあるところだ。これからも、①圏央道や首都圏空港等インフラを整備し、②地域の魅力を活かすと共に、③首都圏の一員として超高齢化社会にも対応した地域づくりに、④市町村の境界を越えて取り組んで行くことで定住人口、交流人口は変化していくはずだ。

 当面、来年10月の次回国勢調査でどこまで結果を出せるかが勝負だ。我々もできる限り貢献を続けたい。

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