わたしの意見-
水野 創

2040年、高齢者は大幅増加:実数と比率

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」6月26日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 「消滅可能性市町村」の発表は地域に大きな衝撃を与えたが、その対象となっていない市町村においては高齢者の増加への対応が必須となる。

 その深刻さは、お神輿型社会(一人の高齢者を多くの生産年齢人口が支える)、騎馬戦型社会(3人が支える)から肩車型社会(一人で支える)へという形で表現される。

 今回は分子に65歳以上人口、分母に15歳から64歳人口をとった生産年齢人口一人当たり何人の高齢者を支えるかを占めす「肩車率」を試算し、2010年から2040年の変化を高齢者数の変化とともに示してみた。 特徴は以下のとおりである。

 ①人口流入が続く首都圏の多くの地域では、肩車率の増加とともに、高齢者数が飛躍的に増加する(医療、介護等の深刻な不足)。

 ②既に人口が減少している地域では、肩車率は高まるが、高齢者数は減少する(同、経営維持・持続性確保が課題)。

 ③人口減少が大きい地域では肩車率は100%を超える。

 この間、分子を75歳以上人口、分母を15歳から74歳までとした試算を行うと、2040年でも2010年に近い位置にあることがわかる。

 2040年には75歳の人も今の65歳の人と同じように元気に活躍することが期待される。そしてそうした人達を含め安全・快適で活動しやすい街づくりに成功した地域に人は移動して行くだろう。人口再配置後の地域の姿は、現在の延長線上にはないと思う。

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