わたしの意見-
水野 創

6月短観で確認できる企業の元気よさ

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」7月3日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 消費税引き上げ後の経済は元気のよい民間企業が支えると期待してきた。個人部門の所得の伸びは、当面、物価の伸びに追いつかないからだ。

 こうした気持ちで7月1日発表の6月調査の日銀短観の結果を注目していたが、期待通りの結果になっている。

 各業種、各規模、いずれも利益水準は高い。非製造業は全ての規模でリーマンショック前を上回っている(表1)。

 特にアベノミクス効果を最も享受してきた大企業・製造業は、2013年度の売上高経常利益率が今回調査(実績)で一段と上方修正され、リーマンショック前に匹敵する水準まで高まった(表2)。2014年度も上方修正されている。また、2014年度設備投資計画も前年度比2桁の高い伸びとなった。

 中小企業の設備投資は、2013年度が今回調査まで大幅な積み増しとなり、前年度比20%を超える高い伸びとなった後、2014年度も前年度比ではまだマイナスだが上方修正されている(グラフ)。

 大企業の設備投資計画は今回調査で概ね固まったが、中小企業の設備投資が今後どこまで勢いがつくかはこれからの景気情勢次第だ。値上げ浸透や夏場以降の個人部門の所得回復で、消費税引き上げを乗り切り、2013年度同様力強い展開を辿ることを期待したい。

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