わたしの意見-
水野 創

人口増加の持つブランド力

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」7月10日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県の人口は4月1日時点で前年比プラスを回復し、東日本大震災後の前年比減少に区切りをつけた(7月1日発表の6月1日時点もプラス)。4,5月中の社会増減や増加率をみても、東京都・神奈川県には及ばないものの埼玉県とほぼ同水準と、勢いもつきつつある。県内には東日本大震災前のピークを更新している市も多い。

 こうした中、総務省が6月25日に発表した1月1日時点の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」で、千葉県は3年連続の減少となった。報道では「1都3県で唯一マイナス」といった見出しとなり、元気回復を発信したい千葉にとってはタイミングが悪い。

 それとともに、全国統計における都道府県単位の人口増加の持つブランド力の大きさを改めて感じる。市町村単位の評価も重要だが、県全体の報道でも元気を増すことを目指さなくてはならない。

 こうした観点で気になるのは、来年2015年10月の国勢調査である。前回2010年国勢調査で千葉県は2005年調査を上回る人口増加を示した4都県の一つであった。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、今後、首都圏・東京集中が進むことは確実である。上記のような報道によるブランド力低下を避けるために、今後1年半で、何とか2010年10月1日の6,216,289人を上回る人口を達成しておきたい。あと21,349人である。

 なお、国勢調査は実際の人口を数える調査で、毎月の住民基本台帳の増減の積み上げる他の時期の人口とは差が生じる。2005年には6,314人のマイナス要因、2010年には14,237人のプラス要因である。統計作成の技術的な話だが、今回はプラスに働くよう願っている。

 

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