わたしの意見-
水野 創

千葉県の人口は増加基調を持続-自然増減の影響には差

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月7日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県の7月1日現在の人口、6月中の人口動態が発表された(8月1日)。4月以降の増加基調を維持しており、グラフを見ると、前年の動きとともに、東日本大震災前の2010年の動きともほぼ同様の動きになっていることが分かる(図表1) 。

 今年は2010年に比べ多少勢いが弱いように見えるが、これは自然増減(出生―死亡)が減少に転じていることを主因とするものであり(2010年4~6月+795人、2014年同▲991人)、社会増減(転入―転出)を見ると最近の東京一極集中の強まりの中で2010年に近い増加幅を確保している(同、+8,840人、+8,064人)。特に6月は、千葉県は東京都に次ぐ増加となっている(図表2)。

 なお、自然増減については、昨年までプラスを維持してきた神奈川県も今年は今後の推移如何では減少に転じる可能性があり、全体として高齢化、人口減少社会が進行していることが見て取れる。

 こうした中にあって、県内市町村では、本年1~6月中に自然増減がプラスの市が7市ある(図表3)。これらの地域は、ここ数年の交通インフラの整備、再開発や子育て支援の充実などにより他の地域に比べ若い世代の転入も多く、平均年齢も若いのだろう。このほか、社会増減は増加となっている市町も14あり、自然増減の重みと環境変化に対応したまちづくりの取り組みの大切さを改めて感じる。

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