わたしの意見-
水野 創

回復を示す最新の県内各指標

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週末から今週にかけて8月1日現在の千葉県人口や多くの経済指標が発表された。8月13日の4~6月GDP速報発表時には消費税引き上げ前後の振れの大きさに驚かされたが、今回は千葉県経済の回復が着実に進んでいることを示す内容だった。

 (1)最も目立つのが雇用の増加で、千葉県・全産業は3月前年比プラスに転じた後、月毎に伸びを高め、6月は前年比+3%になった(図表1)。前年比の内訳では、建設業が全体の3分の1、1万人の増加となったほか、サービス業、前年の落ち込みが大きかった情報通信業の伸びが目立つ。この間、全国の全産業の前年比は0.3~0.4%増加で推移しており、千葉県の伸びが目立っている。一方、賃金は未だ前年を下回っており、これが全国並みに増加してくれば雇用・賃金を掛け合わせた所得総額の伸びも高まることが期待される。

 (2)千葉県人口は引き続き前月比、前年比とも増加し、この調子なら9月1日現在では前々年の水準も上回っているだろう(図表2)。来年10月の国勢調査までに2010年10月の水準にどこまで近づくか、また、東日本大震災前のように埼玉県を上回る増加数、増加率で勢いを示せるか注視したい。

 (3)2014年第2四半期の地価LOOKレポートでは県内で下落していた2地点のうち1地点(千葉港)は横ばいに転じ、残りは1地点(千葉駅前)になった。下落は東京圏65地点では最後の1地点、全国でも2地点(他は長野)なので手放しでは喜べないが、とりあえずほっとする結果だ。

 ここに来て為替円安と株高も進み、輸出採算好転と資産効果増加が期待される。一連の流れにより、弱気に振れかけていたマインドが自信と落ち着きを取り戻すよう期待したい。

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