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水野 創

8月は天候不順が飲料等を直撃―日次物価指数

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」9月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日次物価指数(全国のスーパー300店舗のPOSデータから作成) は8月下旬に下げが目立ったが、8月の月次指数と騰落品目のランキングが発表され実情がより明確になった(9月8日)。

 8月の前年比は▲0.53%と7月の同▲0.25%からマイナス幅を▲0.28%ポイント拡大した。下落品目別ランキングには、スポーツ飲料、レギュラーアイス、発泡酒、炭酸飲料、緑茶飲料、水と天候不順により価格競争が厳しさを増した飲料等が名を連ねている。レギュラーアイス、緑茶飲料、水は8月新登場である。下落品目全体の前年比に対する寄与度は▲1.02%と前月の▲0.79%から▲0.23%ポイント拡大しており、下落要因の大部分を占めている。

 一方、全品目が下落しているわけではない。上昇品目のランキングでは生鮮卵、牛乳、ソーセージなどは、7月に比べ若干寄与度を落としているが引き続き上昇を維持し、全体への寄与度の低下もわずかである(7月+0.54%、8月+0.49%)。

 日次物価指数は9月に入りやや持ち直している。日次売上高指数をみても基調が大きく崩れているわけではないと思う。

 ここに来ての円安、株高の進行により、慎重に振れたマインドが落ち着きを取り戻し、値上げ浸透・売り上げ増加、収益増、設備投資・雇用・賃金増加につながる好循環が再び加速することが期待される。
 資産効果による消費増加とともに、秋冬物商戦では天候もプラス要因になってほしい。

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