わたしの意見-
水野 創
残る業種別、規模別の差―6月短観
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年7月2日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
日銀6月短観が発表された(1日)。
代表的指標である大企業製造業の業況判断DIが3期ぶりに改善し、2015年度入り後の回復傾向が確認できる。
ただし、業種別、規模別の業況判断DIをみると、大企業に比べ中小企業が厳しく、製造業のうち素材関連の多くの業種や非製造業の小売で規模別の差が目立ち、設備投資でも同様だ(図表1,2)。
最近、会員の経営者の皆様から「厳しい」、「回復の実感がない」と訴えられる機会が思いのほか多いように感じていたが、今回の業種、規模の差と重なっているように思う。
『大企業製造業の収益改善、株高等→家計所得の上昇、消費税の影響一巡→家計消費の増加、値上げの浸透→関連業界の業況改善、イノベーションの発揮』の波及が途切れないよう、当面、現在の環境を保持・改善することが重要だ。
幸い、ギリシャ、中国等海外の不安材料の市況への影響は一時的なものにとどまっている(図表3)。製造業の2015年度事業計画の想定為替レートは、前回調査より多少円安になったが未だ115.73(前回112.12)円/ドルで余力もある。
2017年4月の消費税再引き上げに向け、わが国経済の体力を強化していくため、天候、地政学リスク対応などを含め、今後、迅速、適切な政策対応がとられることを期待したい。
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