わたしの意見-
水野 創

九州の統一ブランドは「温泉」、千葉県は?

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年11月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 10日、福岡で開催された全国経済同友会代表幹事円卓会議に千葉県経済同友会副代表幹事として参加した。

 会議では地方創生について各地から多くの報告、講演があったが、その中で地元九州の取り組みが特に興味深かった。

 すなわち九州観光推進機構では「広域観光周遊ルート」の国土交通大臣認定を受け、九州の韓国、中華圏、欧州からの海外個人旅行者の拡大、福岡から西九州、東九州への呼び込みを目指すなどの事業を行っているが、九州の統一ブランドとして「温泉」を選定していた。

 因みに、九州の温泉源泉数、湧出量は全国一で、海外での知名度も高いとのことであった。

 また、上記大臣認定を受けた全国7コースをみると、ルート名、特にその英訳からはそれぞれの思いが伝わってくるものが多い(表1)。

 翻って首都圏ではまだ「広域観光周遊ルート」はない。また、千葉県を考えると、2012年の弊社のブランド力調査で東京ディズニーリゾート、成田国際空港、三井アウトレットパーク木更津が上位に入ったが、県全体のブランドをどう表現するかを絞り切れていなかった。

 今後増加する外国からのお客様を巡り、地域間競争は激しさを増してくる。

 交通インフラの整備や豊かな自然、歴史・祭り・スポーツ・芸術等多くの観光資源など極めて恵まれた環境にあることは確かだが、各地の取り組みや訪れるお客様の状況を考えながら(表2)、我々もこれまで以上に、どのようなお客様を対象に、どのような情報を発信していくか考えなくてはならないと思った。

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