わたしの意見-
水野 創

上期は勢いがつかない民間需要―地域発のマインド向上に期待

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年11月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日銀は景気の現状を、前回同様、「新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている」とし、金融政策の現状維持を決めた。

 一方、7~9月期の実質GDPは季節調整済み前期比で2期連続の減少となっている(16日発表)。

 四半期ごとの振れを均し、基調がよりはっきり分かるよう半期ごとの実質GDPの推移をみても、15年度上期の伸びは公的需要が支えていることが分かる(表)。

 ①全体として消費税引き上げ直後の大幅な落ち込みから徐々に回復しているが、

 ②民間需要(消費、設備投資)は14年度下期に回復した後再び減少しており勢いがない。所得は伸びても消費には慎重で、所得の伸びを下回っている。

 ③名目指標や原系列前年同期比でみても基調はかわらない。

 民間需要の勢いのなさは、海外要因による企業マインドの慎重化だけでなく、昨年度から続いている、地域別、業種別、企業規模別の回復の差が残っていることも影響していると思われる。

 先行きについても「緩やかな回復を続けていく」とされているが、民間エコノミストの15年度の実質成長率の下方修正が続いており、パリの同時テロや南シナ海、ウクライナの地政学的リスクなどにより企業マインドが一段と慎重化しないかも心配になる。

 もっとも、地域に目を転じると、2020年東京パラリンピックの一部競技の幕張開催が決まったほか(13日)、15日に運行を開始した「里山トロッコ列車」は週末を中心に満席の列車もでており、将来への期待も高まっている。

 また週末11月21日から12月19日まで、期間限定の千葉県アンテナショップが東京駅前JPタワー・KITTE地下1階で開かれ、千葉の魅力を紹介するが、その中では、私どものイベント「南房地域のお土産品PR・モニタリング調査」も予定されている(12月2,3日)。

 地域からの成功事例作りで少しでもマインドが明るくなるよう願っている。

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