わたしの意見-
水野 創

市場は荒れ模様だが、慌てずに今年の課題に取り組もう

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年1月14日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 年初から市場は荒れ模様だ。経済の動きに比べ、変動幅が大きく思わずたじろぎそうになる。

 しかし、世界中にこれまでの緩和資金がジャブジャブに溢れ、しかも米国の金融政策の変更で資金の調達コストが上昇している。投資家は「これまで以上にうまく稼ごう」と各市場を渡り歩いている。

 このくらいの変動で慌てる必要はなく、むしろ材料次第でこれまで以上に振れが大きくなるとの心構えをしておくことが適当だと思う。

 因みに、リーマンショックを含む最近10年間(2006年から2015年)の円相場と日経平均株価の年間の高値と安値の差を見ると、円相場は最小が2015年の8.67円/ドル、最大が2008年の22.42円/ドル、日経平均株価は同2012年の2099.55円と2008年の7528.51円、10年間の平均はそれぞれ14.45円/ドル、3909.65円となる。

 昨年は、円相場は落ち着いた、そして株価は平均的な変動幅の年だったことになる。

 今年になってからの動き(年末から13日までの差)は円相場が3.02円/ドル、株価が1814.75円で上記の幅の中に納まっている。

 内外情勢を考えれば、2016年経済は、業種別・規模別・地域別の差は続くが全体としては2015年経済より良くなるはずだ。市況の変化に慌てずに、イノベーション、地方創生、2020年オリンピック・パラリンピック準備、消費税引き上げに備えた体力強化など今年の課題を着実に進めたい。

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