わたしの意見-
水野 創

大荒れ―漂流する投資資金

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年1月21日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 市場の大荒れが続いている。投資資金は、米国金融政策変更後の居場所を求めて、経済の動きから大きく離れたところを漂流しているように見える。

 少なくとも国内経済についての見方は昨年11月を底に持ち直している。

 12月公表の経済指標が、実質GDP統計の上方修正(7~9月、2次速報)、法人企業統計季報や短観の設備投資計画など強かったのが契機だが、1月に入っても、内閣府の景気ウォッチャー調査が11月を底に12月は改善し(12日公表、図表1)、日銀の「地域経済報告」の各地の業況判断DIもほとんどの地域・業種で9月比改善している(1月18日支店長会議、図表2)。

 大荒れの市場に対し世界中の政策当局がそれぞれの国の状況に応じた対策を考えていると思う。わが国でも、せっかく盛り返したマインドが今回の大荒れで萎縮しないよう、政策当局には以下の2つを期待したい。

 ①とりあえずのマインド動揺を抑えるための説明力(投資資金の動きと経済の動きの違い)。

 ②イノベーション、地方創生を促進する成長戦略の強力な推進(遅れている「既得権にとらわれない規制緩和」を早期かつ徹底して実現し、投資資金を呼び込む)。


●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。