わたしの意見-
水野 創

英国、EU離脱決定へ

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年6月24日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 23日の国民投票で英国はEUからの離脱を決めた。

 事前から僅差と報じられてはいたが、大きな経済的損失が予測される離脱を、まさか本当に選択するとは思っていなかった。国民投票では、経済的損得を超える政治的判断がなされることがあるわけだ。

 EUからの離脱は初めての経験であり、今後を見通すことは難しいが、とりあえず以下の諸点を指摘しておきたい。

 ①開票が進むにつれ市場は大荒れとなっている(表。本日の計数は15時時点で入手可能な値)。事前から主要国で検討されてきたリスク回避策、一時的動揺防止策が確実に実行されるよう願っている。

 ②離脱は英国に対する投資や貿易に大きな影響を及ぼし、世界経済に対する影響も計り知れないとされてきた。実際にどの程度の影響が起こるかは、今後数年の離脱手続きがどのように進むかにかかっている。結論が出た以上、英国及び世界経済に対する影響が出来るだけ小さく済むよう世界中の関係者の知恵に期待したい。

 ③海外が厳しい分、国内経済を強くすることはこれまで以上に重要になる。時間稼ぎやばら撒きではなく、成長力を高め、将来の安心につながる施策を確実に実施することがこれまで以上に求められる。この点は、企業にとっても同様だと思う。

 今後も多くの政治・経済イベントが控えている。参院選の結果次第では、日本でも国民投票が実施される可能性もでてこよう。気を取り直し、それぞれの課題に取り組みたい。


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