わたしの意見-
水野 創

市場の反応に一安心 ~日米金融政策決定~

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年9月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 注目の9月20,21日の日米金融政策決定が終わった。

 日本は枠組み調整、米国は据え置きだったが、外国為替市場には若干の円高、株式市場は上昇で迎えられ、休日明けの日本の朝の市場も落ち着いている。

 今回の政策決定は「異次元緩和の総括的な検証」と銘打っているが、年初来の円高・株安を起点として「アベノミクスの逆回転」に歯止めがかけられるかがポイントだった。

 この点、①マイナス金利導入時は期待とは逆に円高となり、その後の副作用と共に傷を負ったこと、②今回は同日とはいえ時差の関係で日本の決定後に米国が判断すること、③日本の決定について事前の予測が難しかったこと、など不安材料が多かったが、円急騰は避けられ、とりあえず一安心だ。

 今後、米国の金利引き上げ期待、万一の円急騰の場合に備えた日本の政策手段温存から円安、株高基調への回帰を期待したい。

 なお、米国の指標の振れの大きさがかく乱要因になること、そのとき、日本の長期金利の0%の目標が波乱要因となりうること、大統領選挙はじめ政治・地政学リスクが大きいことを留意しておく必要がある。また、並行して「アベノミクス全体の総括的な検証」も必要だと思う。

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