わたしの意見-
水野 創

国勢調査から1年、続く人口増加の勢い

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年11月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2015年10月国勢調査の確報が発表され、千葉県は速報より下方修正されたが、5年前比の人口増加が確定した。

 続いて2016年10月の各都県で人口が発表されているが、東京が突出し千葉、神奈川、埼玉の3県が続く首都圏への人口流入の勢いは止まらない。

 一方で、国勢調査で5年間の人口減少率が全国一高かった秋田県はこの一年でさらに1.3%減少し100万人となっている。千葉県の約2倍の県土に千葉市をやや上回る人が住んでいることになる(人口が一番少ない県は鳥取県で57万人)。

 こういうと秋田県は大変で千葉県は恵まれていると思えるが、一方で、千葉県でも人口減少率の大きい自治体を見ると、この1年で銚子市では1.8%、鋸南町では1.5%の減少となっていて、秋田県以上に厳しい現実だ。

 地方創生の中で、銚子市では「廃校を利用したスポーツ合宿誘致」が動き出し、鋸南町では「廃校を利用した道の駅」が既に開業している。「仕事」から「人」に結びつくまでに一定の時間はかかるが、「圏央道の外側」でも「首都圏外と比較すれば東京に近い」優位性を発揮し目に見える成果が表れるよう期待したい。

 因みに、昨年スタートし今春から本格稼動した市原市の「小湊鐡道のトロッコ列車」は、紅葉シーズンに加え、ここに来て人気急上昇中の君津市の「濃溝の滝」を組み合わせたバスツアーも盛況と聞く。地域の特長を生かして新しい魅力の創造した好事例だと思う。


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