わたしの意見-
水野 創

2017年経済のポイント

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年12月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 あと数日で波乱の2016年を終え、2017年を迎えます。

 本年のビジネスレターは今回で最後の予定です。この一年の皆様のご支援に感謝しています。

 2017年日本経済は、海外景気の回復、円安・株高効果、経済対策、オリパラ対応等により2016年より全体としては改善する見通しになっている。

 今後のポイントは以下の諸点だと思う。

 ①市場は「期待相場」から「催促相場」に。

 11月の米大統領選挙以降、次期大統領の減税、インフラ投資等に期待した一方方向の展開になっている。しかし今後は、金利引き上げテンポや政策の具体化を材料に激しい変動が予想される。想定した水準との差如何で企業・家計のマインドへの悪影響もありえよう。

 この間、秋の党大会を控え対外強硬路線を続ける中国など地政学リスクの高まりの影響も覚悟しておく必要がある。

 ②総選挙を控えて日本では課題先送りが続く。

 「働き方改革」等掛け声は多いが財政等基本的な部分で安心できる状況ではない。

 ③地域、業種、規模別、企業・家計部門別の差も一部でさらに拡大。

 首都圏一極集中、抑制的な給与引き上げによる消費関連の不冴え等により続いている回復力の差がさらに拡大する可能性がある。

 これまでの例を見ると2020年東京オリパラ前に景気はピークを迎え、ちょうどそのころに消費税率の10%への引き上げが予定されている(2019年10月)。比較的良い経済環境が期待されるこのタイミングに、それぞれの立場からのイノベーション・体力強化を進めておきたい。

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