わたしの意見-
水野 創

増勢が続く首都圏人口

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年2月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今週は千葉県、総務省から人口統計が発表された。

 2016年も首都圏への人口流入が続いていたことが確認できる。

 今回の発表を見た感想は以下の通りである。

 総務省の人口移動報告による人口流入の伸びは、千葉県が埼玉県、神奈川県を上回り、首都圏の中でも特に千葉県に勢いがある。交通インフラや駅前(再)開発、子育て支援等の整備や相対的な地価の安さが背景にあるのだろう。流山、柏、船橋、習志野市など6市が全国の転入超過数上位20市に名を連ねている(埼玉県2市、神奈川県3市)。

 一方で、自然増減(出生-死亡)の減少幅は確実に増加しており、2016年は1万人を超えた。この間、県内では前年と同数の9市が2016年も自然増を維持している。

 自然増減の減少幅は、今後も着実に増加していく。この増加幅と人口流入幅が交差した時点から、人口減少になるわけだが、千葉県の場合、一体いつになるのだろう。

 インフラ整備、産業構造、子育て支援、日本版CCRCの整備など地方創生の成否、更には災害の影響など多くの不確定要因があり、社会増減の変化幅には相当の振れがあるので断言は出来ないが、少なくとも2020年東京オリパラまでは、東日本大震災前や現在の年間2~3万人の増加基調が続き、人口全体としても増加を続けているのではないだろうか。

 人口は地域の元気の源泉である。今後も動向を注視していきたい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。