わたしの意見-
水野 創

明日で東日本大震災から6年-大切な前向きな気持ち 

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年3月10日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 復興に取り組まれた皆様に心より敬意を表します。

 あの日、私は、弊社が運営するセミナーで、自分の講演開始直前に被災した。東京駅前の古いビルにあるセミナルームを借りての開催で、何階かは忘れたが大きく揺れ、途中からは皆でテーブルの下に身をかがめた。エレベータも止まり、おそらく7,8階くらいではなかったかと思うが、とりあえず皆で階段で1階まで避難した。外に出ると、ビルのショーウインドのガラスが割れていた。二度とそのビルに入る気はしなかった。セミナーは中止にし、お客様を送り出したのち、一緒にいた社員と社長車で東京分室に移動した。

 稲毛の本社とは短時間電話がつながりお互いの無事を確認した。

 社長車を活用し、一緒にいた社員全員が順次自宅を目指すこととし、その後、大変な苦労をしながらも、皆の頑張りと、プロの運転手さんの知見と献身的な貢献で、翌日昼までにはなんとか全員無事に自宅に到着できた。

 個人的な話を書いたが、千葉県は、大地震に加え、津波、液状化、風評被害を含む放射能関連被害、コンビナート火災で大きな被害を受けた。特に液状化、放射能関連被害地域の人口は423万人、県内の人口の3分の2を占める。

 あれから6年。

 千葉県人口は2014年まで減少した後、回復に転じ、現在過去最高水準にある。

 

 東京都、神奈川県・埼玉県が増勢を持続する中、千葉県だけが減少する2014年までの統計を見ると、「千葉県はもう元に戻らないのではないか」という疑念に苦しんだ時期もあったと思う。しかし、統計はあくまで過去の結果であり、「便利なところには必ず人は戻ってくる」という前向きの気持ちで安心・安全・快適・便利な地域づくりに取り組んだことが、2015年以降の反転に結びついたのではないだろうか。

 統計も重要だが、前向きな気持ちがもっと大切だ。

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