わたしの意見-
水野 創

今年は違う 市場は政策、政治イベントで大荒れせず  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年3月17日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今週は、米国の利上げ決定、オランダ総選挙など多くの政策、政治イベントがあった。

 各イベントの結果が想定の範囲内であったこともあり、市場は大荒れすることなく、今のところ冷静に対応している。

 昨年とは大違いだ。

 すなわち、昨年は15年末の米国利上げをきっかけに、先進国の政治的混乱も重なって市場は大荒れになり、企業マインドの悪化、企業活動の慎重化をもたらした。今年の春闘が前年に比べ低調な一因にもなっている。

 これに対し、今年は、16年末の米国の2度目の利上げ後も市場に波乱はない。16年末に続く昨日の3度目の米国利上げ後も市場は達観して横ばい圏内の動きだ。

 こうした市場の変化は、世界経済の回復が進み、脆弱さに対する懸念が薄らいでいることが背景の一つだと思う。こうした状況が続けば、昨年末以降の企業マインドの改善が一段と進み、企業活動の活発化、家計の所得増加につながっていくと思う。

 年明け後、物価は上昇に転じており、その消費への影響を防ぐためにも、ぜひ、こうしたシナリオが実現してほしいと願っている。

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