わたしの意見-
水野 創

一段と進む首都圏1都3県への人口集中  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年5月11日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 4月1日現在の千葉県人口が発表された。6,244千人と昨年12月1日現在の6,242千人を抜き過去最高を更新している(図表1)。

 4月も就職、入学等に伴う引っ越しが続くので5月1日現在の一段の更新は間違いない。

 3月中の増減は前年と大差ない。しかし内訳をみると、2010年からマイナスに転じた自然増減(出生―死亡)のマイナス幅拡大を、社会増減(転入―転出)の増加幅拡大が補っている姿が鮮明だ(図表2)。

 こうした状況は首都圏1都3県(千葉、神奈川、埼玉県)で変わらないが、今年の社会増減の増加幅をみると、3県の内では千葉、埼玉県が前年を上回る6千人台でほぼ並び、3県中人口が最大の神奈川県が前年を下回る4千人と少し差がついている(図表3)。この間、茨城県は減少幅を拡大している。働く場、住みやすさ(インフラ、住宅事情など)の現状を敏感に反映しているのだろう。

         

 全体として景気が回復基調にあるとはいえ、地域間格差の拡大への対処は容易ではない。地方創生、成長戦略あるいは各企業のイノベーションの成果をこれからどのように実現していくのか私どもも地域のシンクタンクとして力の発揮のしどころだと感じている。

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